絢爛豪華な衣装着の雛人形

衣裳着の雛人形は絢爛豪華な衣装が魅力

衣裳着とは文字どおり衣裳を着せつけた人形のことです。

 

「雛人形」という言葉を聞いて多くの人がイメージするのは、下の写真のような衣裳着の雛人形でしょう。

 

ちなみに人形店で販売されている商品のほとんどが衣裳着タイプです。

 

衣装着の雛人形

 

衣裳着の雛人形の特徴といえば華麗に着せつけた艶やかなその衣裳。

 

各店舗において数・種類が最も豊富であるため選ぶ楽しみも多いと思います。

 

人形の衣裳に着目しても代表的な布地である金襴(模様の一部に金糸を織り込んだもの)や友禅(布に染料で絵を染め出した織物)をはじめとし実に様々です。

 

 

 

昔ながらの明るく煌びやかな風合いが好みの方は金襴の衣裳。

 

落ち着きのある質感の衣裳をお望みなら友禅。

 

シックで上質感のある帯地衣裳や上品な色合いが特徴の伝統ある有職織、格式高い染物として知られ光の当たり具合によって色が変化する麹塵(きくじん)も見逃せません。

 

また蘇州刺繍、汕頭(スワトウ)刺繍など、美しい刺繍が施された衣裳も味わい深いものがあります。

 

そのうえ人形の頭(かしら)の種類も豊富で、伝統的なすっきりとした顔立ちや、ほんのり微笑んだ優しい顔立ち、ちょっと目のパッチリした可愛い顔など、表情も様々です。

 

 

 

このように沢山の種類がある衣裳着の雛人形ですが、逆に種類が多過ぎてどれを選んだらよいのか迷ってしまうという方も少なくないようです。

 

実際、何度お店に足を運んでも雛人形を決めきれない方もいるようで、人形店の店員さんが言うには、雛人形選びで迷ってしまったら、どんな些細なことでもいいので遠慮せずに尋ねてくださいとのことでした。

 

そして重要なポイントは、気に入った雛人形があったら、あまり悩み過ぎずに出来れば即購入すること(とは言っても、これが難しいのですが)。

 

なぜなら雛人形は大量生産品ではないので、気に入った商品があったにもかかわらず「また来週、来てみます」、「他のお店も回ってみます」などと言っていると、再びお店に行ったときにお目当ての雛人形が「売り切れ」となっている場合も有り得るからなのです。

 

こうなると雛人形選びは振り出しに戻ることに・・・・・。

 

 

 

 

私も人形店回りをしているときに、実はこのような場面に遭遇しました。

 

場所は鴻巣、お店を訪れたのは2月初旬の日曜日。

 

節句人形専門店では来客のピークを迎える時期で、どこのお店も店内はお客さん同士ですれ違うのが大変なほどの賑を見せていました。

 

この日、私が見かけたのはせっかく気に入った人形が見つかったのに、他のお店も見たいからといって出て行ってしまったお客さん。

 

商品説明をかなり長い時間聞いていたようなので、近くにいた私も「この方はそろそろ購入を決めるのかしら?」と思っていたほどでした。

 

 

 

しかし、そのお客さんの口から出たのは「はじめて鴻巣に来たので他のお店も見てみたい」という言葉でした。

 

販売員さんもさすがに引き止めるわけにはいかず、そのお客さんはそそくさとお店から出て行ってしまいました。

 

「この人形は残りわずかです」と店員さんに言われていたのに・・・・・。

 

そして案の定、その人が再度お店に戻ってきたときは、すでにお目当ての雛人形は他の方が購入してしまい手に入れることができませんでした。

 

 

 

そのお客さんは、あまりのショックに言葉も出ず。。。という状態だったことは言うまでもありません。

 

というわけで、気に入った雛人形に出会えた場合、「もっといい人形があるかも」と考えるのは少々注意が必要です。