根強い人気の木目込み雛人形

「雛人形」という言葉を聞いて、どんな人形を思い浮かべますか？

一般的に私たちが思い浮かべるのは人形に艶やかな衣装を着せ付けた「衣裳着」と呼ばれるタイプだと思います。

節句人形専門店をはじめとし、百貨店や大型スーパー等で展示されている商品の多くは、この衣裳着雛人形です。

衣裳着の雛人形がいわゆる普通のお雛様であるのに対し、ちょっと趣の変わった印象のお雛様が下の写真のような「木目込み」と呼ばれるタイプの人形です。

この木目込み雛人形、初めて見る方の中には「一風変わった雛人形だなあ」というイメージを持たれる方も少なくないようですが実は意外と根強い人気があるのです。

ちなみに木目込み人形とは、桐塑で作った胴体部分に彫りこんだ溝に金襴や縮緬などの生地を埋め込み、衣装を着せたように見せる人形のことです。
※桐塑とは、桐の粉末に正麩糊（しょうふのり）を混ぜて作った弾性のある粘土状の素材

胴体の筋彫りに生地を埋め込むことを「きめこむ」ということから、木目込み人形と呼ばれるようになったとか。

木目込み雛人形といえば、ふっくらとした優しい顔立ちが魅力で、一般的に小型で落ち着き感があり、型崩れしないという特徴があります。

なお、木目込み人形の胴体は桐塑を使用したものが主流ですが、最近はウレタン系の樹脂を使用したものも販売されています（ウレタン系樹脂を使用した木目込み雛人形は、その分値段が安いです）。

また、関東の主な生産地は東京、岩槻（埼玉県）で、江戸木目込人形の指定要件を満たした商品には伝統的工芸品のマークが付いています。

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