お店に行く前に知っておきたい木目込み雛人形の価格相場
コンパクトで飾りやすいと人気の木目込み雛人形にも、親王平飾りや五人揃いの三段飾り、十五人揃いの七段飾りなど色々なタイプがあります。
要するに、衣装着の雛人形に比べて全体的なサイズは小さくなるものの、木目込み雛人形の種類は衣装着の雛人形と特に変わりません。
ですから、収納タイプもあればケース入りタイプもあります。
そんな様々なタイプが揃っている木目込み雛人形の中で特に人気が高いのは、衣装着雛人形と同様に小振りなサイズで飾る場所を選ばない親王平飾りです。
では木目込み雛人形の親王飾りは、いくらぐらいが相場なのか？
この質問を浅草橋の人形店でスタッフさんに投げかけてみたところ、木目込み雛人形の相場は単純に答えられるわけではなく、2つの価格帯に大きく別れるとのことでした。
まず一つ目は伝統的工芸品（伝産品とも呼ばれています）に認定された雛人形で、こちらは比較的値段が高額になり、売れ筋商品の相場は15万円〜20万円といった感じです。
伝統的工芸品のマークが付いた木目込み雛人形は、天然の素材を使い昔ながらの製法で手間ひまかけて作られるため値段は比較的高めになります。
雛人形の価値は金額の高低で決まるものではありませんが、厳しい基準を満たしている伝統的工芸品認定の木目込み雛人形は、見た目の美しさはもちろん、高額な価格に見合った極上の素材感と仕立ての良さを持ち合わせています。
例えば、当サイトで紹介している真多呂人形も伝統的工芸品認定の作品を手掛けている代表的なブランドです。
そして、もう一つは伝統的工芸品以外の木目込み雛人形で、こちらは比較的お求めやすい価格帯の商品が多く、親王飾りの場合は5万円〜8万円の商品が売れ筋となっています。
伝統的工芸品認定の雛人形と比べるとだいぶお求めやすくなりますが、値段の差は素材の違いによるところが大きく、伝産品以外の木目込み雛人形はほとんどが合成樹脂のボディや化繊物の衣装を使用しています。
一方、伝統的工芸品に認定されている木目込み雛人形は、桐塑製のボディや正絹の衣装など天然素材を贅沢に使用しているわけですから、値段に大きな差がでるのも当然です。
では高品質で値段が高い伝統的工芸品認定の雛人形と、素材ランクは劣るものの値段が安い伝産品以外の雛人形、どちらが売れているかというと伝産品以外の雛人形に軍配が上がります。
お求めやすい価格帯の商品の方が売れているのは当たり前と言えますが、伝産品ではない木目込み雛人形を購入する人が多いのは、値段の安さ以外にも理由があります。
それは見た目の可愛らしさです。
どちらかというと、伝統的工芸品認定の木目込み雛人形は威厳、風格、気品といった言葉をイメージさせるような作風の商品が多数を占めています。
例えばこんな感じです。
それに対して伝産品以外の木目込み雛人形は、小さな女の子が喜びそうな、とても可愛らしい色・柄の衣装を身にまとっているものが多く、屏風や飾り台、お花、道具類も人形の雰囲気に合わせ、キュートで個性的なデザインに仕上げてある作品が少なくありません。
例えばこんな感じです。
このように木目込み雛人形は素材や品質の違いによって値段は変わってくるものの、デザインの可愛らしさを重視している方にとっては、魅力的な商品が必ずしも高額というわけではないということがわかると思います。
ですから、お子さんの初節句に木目込み雛人形を買ってあげたいと考えている方は、素材・品質に重きを置いて選ぶか、それとも可愛らしさを最優先とするか、予算との兼ね合いも考慮して事前に決めたうえで人形店へ行くと、お店で必要以上に迷うことがないと思います。
というわけで、木目込み雛人形の売れ筋相場を整理しておきます。
【親王飾りの場合】
伝統的工芸品の木目込人形 15万円〜20万円
伝産品以外の木目込人形 5万円〜8万円
ちなみに、これは多くの人形店に言えることですが、実店舗で販売している雛人形のほとんどは衣装着タイプです。
一方、木目込み雛人形は店内の一部のコーナーに展示されているという感じで、衣装着に比べると決して数は多くありません。
どこの人形店で聞いても「衣装着タイプの雛人形を購入するお客さんの方が圧倒的に多いよ」ということでしたので、お店に飾ってある商品の構成は衣装着が多数で木目込みが少数となるのは仕方ないことですが・・・・・。
数少ない商品の中から気に入った木目込み雛人形を選べるかな？と心配になった人は、ぜひ人形店が多数立ち並ぶ東京の浅草橋、埼玉の岩槻や鴻巣、大阪の松屋町などへ足を運んでみてください。
一つのお店で扱っている木目込み雛人形の数は少なくても、数軒のお店を回れば十分過ぎるほどの商品を見ることができますので、きっとお気に入りのお殿様、お姫様、三人官女たちに巡り合えると思います。
